20代から子宮内膜症に要注意、生理にともなう健康リスク
月経自体は生理現象とはいえ、女性の健康を左右するエストロゲンと深く関係する。生理にともなう“健康リスク”への意識を高めよう。
■月経回数が多いこと自体がリスク
現代女性が抱える「生理問題」の根幹となるのが、昔と比べ生涯の月経回数が激増していること。
「もちろん個人差はありますが、戦前ぐらいまでは、女性の生涯月経回数は50回程度でした。これは、初潮が来るとほどなく結婚し、8人、9人と子どもを産むことが『普通』だったため。妊娠中と、授乳中の多くは月経がないので、たくさん子どもを産めばそれだけ月経回数は減少。子宮や卵巣を休ませる期間も長かったといえます。いっぽう現代女性の生涯月経回数はなんと400回以上!昔に比べて発育がよくなり、初潮が低年齢化していることと、晩婚・少子化がその理由です」(松村院長・以下同)
まずは、女性の月経回数が昔に比べ激増していることそのもののリスクについて、松村院長は次のように語る。
「卵巣にある卵胞が裂けて卵子が排出されることを『排卵』といいますが、妊娠しないとこれが繰り返されることになり、卵巣がんの発症リスクが高まります。また、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所でエストロゲンに反応し、増殖や出血を繰り返す病気を子宮内膜症といいますが、こちらは月経回数と発生頻度が正比例。