2019年10月14日 06:00
骨折予防のための食習慣に「煮干しだしが有効」と医学部教授
脳卒中ならぬ「骨卒中」、知っていましたか?高齢者の骨折が寝たきりや死亡につながるケースを指しますが、その予兆は50歳前後から表れるというのです。転倒しないために、そして骨を丈夫にするために、今から始められることがありますーー。
「高齢者が一度骨折をすると、クセになりやすいというのは定説です。特に注意すべきは背骨と股関節周辺の骨折でしょう」
こう話すのは、鳥取大学医学部保健学科教授の萩野浩先生だ。高齢になって足腰が弱くなると、ちょっとした動作で転倒し、骨折するのは体を支える中心部であることが多く、フレイル(虚弱)状態が進むため、治っても再び骨折する確率が高くなるのだ。
「たとえば、背骨を骨折した高齢者は、そうでない人に比べて4〜7倍、再び骨折しやすくなります。しかも、次に骨折するのは背骨だけでなく、股関節周辺であることも多いのです」(萩野先生・以下同)
一般的に股関節周辺の骨折は予後が悪く、長期間、寝たきりの生活を送ることになる。するとさらに筋力が落ち、自力で生活できなくなって介護生活に入る。
ショッキングなことに、5人に1人が1年以内に死亡するという。
「骨折後、死亡までの期間が極端に短くなることを『骨卒中』と呼び、警鐘を鳴らしているのです」