がんになった医師が語る本音「安易な励ましに傷つくことも」
正直、がんを克服している人の言葉は全く響かず、むしろ妬ましかったです。
ほかのがん患者さんの言葉が心に届くようになったのは、人によって病状も治療法も違うと理解できてから。患者会に参加すると、人それぞれのがんとの生き方、向き合い方があることがわかりました。時間がたつにつれて、金子みすゞさんが言うように“みんなちがって、みんないい”と思えるようになったんです。
ただ、いまだに“キャンサーギフト”という言葉には抵抗があります。たしかに本を出版できたり、同級生と再会できたり、キャンサーで得たものはあります。でも、やっぱり、がんをお中元と同じ“贈りもの”とは思えません。
患者への励ましの言葉も、そのときの病状や、誰に言われるかによって捉えられ方が変わることを知っておいてほしいです。
【Q4】がんになった家族から、きつい言葉をぶつけられ、精神的にまいっています
【A】患者さんも、心の中では申し訳ないと思っているはずです
恥ずかしながら私は現在進行形で家族につらく当たっています。
私は胃を摘出したので、ご飯を満足に食べられません。それなのにヨメさんが、小さなお茶碗にご飯を山盛りにする。“少しでも食べさせたい”という優しさは理解しているのですが、余裕がなくて「そんなに持ってくんな!」