2020年11月22日 11:00
“体・気持ち・頭”をつかさどるホルモンの働きを高める方法
わかりやすい例を挙げると、睡眠ホルモンのメラトニンは、暗くなると脳から分泌され、脳の興奮を鎮めて体温を下げ、眠気を誘います。『夜が来たぞ!』と体に教えて、眠る準備を整えてくれるのです。眠気のようにコントロールが難しい欲求は、まさにホルモンのしわざ。抑えきれない食欲や、生理前のイライラ感も同様です」
つまり、ホルモンさえコントロールできれば、一見、制御不能に思える欲求に手綱をつけることも可能となるのだ。
「ホルモンの分泌には体内時計のほかに、食事、ストレス、月経周期、加齢などが影響しています。このうち体内時計、食事、ストレスは自分でコントロール可能。生活習慣や食事にひと工夫加えたり、軽い運動を取り入れるだけで、見た目や体調、気分が変わってくるのを感じられますよ」
さらに、ホルモンと同時に注目したいのが自律神経の働き。この両者は相互に働き、体内環境を一定に保てるように調整している。
「人間は、変温動物と違って、気温にかかわらず常に一定の体温をたもっています。これができるのは、自律神経とホルモンの両者が協力して働いているから。自律神経は、体温や心臓の働きなどを瞬時に自動調整します。いっぽう、ホルモンは血液にのって運ばれるため反応が出るまで時間がかかりますが、そのぶん長く働きます」