2021年8月25日 06:00
ブレインフォグ治療のカギは上咽頭炎ケア 専門家は鼻うがいを推奨
たとえば、企画立案、人材の育成や管理、編集、経理など、頭脳労働を要する職種の方は、アウトプットができなくなると仕事になりません。辞めざるをえない状況に追い込まれるんです」
多くの患者を治療するなかで、ブレインフォグには“上咽頭”の炎症が関与していることがわかってきた、と平畑先生は指摘する。
「ブレインフォグを訴える患者さんの多くが、脳の近くに位置する、鼻の奥の上咽頭という部分に炎症を起こしています。この部分の炎症が脳の血流やリンパの流れを阻害して、ブレインフォグを引き起こしている可能性があるのです」
■無理に体を動かすと、後遺症は悪化する
そこで、平畑先生が臨床現場で模索した結果わかってきた、効果的なセルフケアを押さえておこう。
「当院では、重い後遺症を抱えていた患者さんの7割が、適切なケアをすることで、当初の半分ほどに症状が和らいでいます。特に、上咽頭の炎症がある方には、耳鼻咽喉科で炎症を治療するのがよいでしょう。上咽頭の治療を行う耳鼻科が近くにない場合は、“鼻うがい”を実践してみてください。ぬるま湯に1~2%の食塩を入れて生理食塩水を作り、それを片方の鼻から吸って、もう片方の鼻から出します。