2021年12月8日 15:50
ウィッグ、タクシー代…治療費以外にも年間55万円が!がんでかかる本当の費用
■乳がんの場合は5年以上治療が続く
たとえば、女性の罹患数が最も多い乳がんの場合、外科的手術などを行う1年目には高額療養費制度を適用しても53万円がかかる。さらに2年目に17万円、3年目に15万円、4、5年目に7万円の治療費が発生する。
「乳がんはステージ1で治療を行っても、10年後に再発、転移が見つかるケースがあります。そのため、乳がんの増殖を促す女性ホルモンを抑制する治療を5~10年にわたって行う必要があるのです。また抗がん剤を続けるケースでも、同様に長期戦を覚悟する必要があります」(上さん)
このような治療費の大半はがんと診断されてから3カ月で一気に必要となることが多いと黒田さんは指摘する。
「しかし、一般的な収入の家庭なら、自己負担額が約9万円を超えた分は、高額療養費制度を申請することで還付されます。がんの治療においては必ず利用したい制度です」
高額療養費制度とは、1カ月(1日から月末まで)にかかった医療費について、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が払い戻される制度。ただし、自己負担限度額は、年齢や収入によって異なるので確認を。
また、1年間に3カ月以上高額療養費の支給を受けた場合には、4カ月目から「多数回該当」