(井上さん)
痛みにはとりあえず解熱鎮痛剤、という癖がある人は改めよう。そして、症状が長引く場合はやはり医療機関の受診を。気温差が大きいと生じがちな便秘も、薬の頼りすぎには注意。
「便秘薬で排便ができても、またすぐに薬に頼るようでは根本的な解決にはなりません。1週間ほど薬を飲みながら毎日排便を促し、腸に排便の習慣を記憶させたら服用を止めましょう」(井上さん)
同様に、腸内の病原体を体外に排出する作用である下痢も、薬に依存しすぎるのは好ましくない。反対に、安易に薬を中止しないほうがよいケースも。汗をかきやすい夏場の悩みである湿疹や皮膚のかゆみに対処する薬は、ステロイドか非ステロイドに大きく分けられるが、井上さんは2段階での使用を推奨する。
「ステロイドは効き目がいいので、塗り始めて数日もすると多くの場合、かゆみなどの症状が治まります。
この時点で塗布をやめてしまう人が多いのですが、その後も1週間ほど継続し、この後に抗ヒスタミン軟膏やクリームに切り替えて、肌がつるつるに戻るまで適量を塗布することが症状を絶つためには大切です。ステロイドは患部を覆うくらい十分な量を塗布して一気に叩いてしまうことが、効果を得るためにも皮膚への影響を少なくするうえでもとても重要なのです」