「夏のかぜは鼻水やくしゃみ、のどが痛いといった症状が主です。総合感冒薬、すなわちかぜ薬にはあらゆる症状に対する薬効が含まれていますから、鼻水やくしゃみが顕著なかぜであれば、『抗ヒスタミン系』の薬を選択しましょう。ただし、ウイルス性疾患を根本から治す薬はありません。目的はあくまでも症状を緩和することです」(宇多川さん)
薬を飲んで症状を抑えながら、十分な休息をとって、自分の体がウイルスに打ち勝つ環境を整えることが大切だ。銀座よしえクリニックの井上肇さん(聖マリアンナ医科大学特任教授)も次のように話す。
「かぜ薬はズルズルと飲み続けるものではありません。なかなか体調が改善しないようであれば、市販薬の服用を中止して医療機関にかかりましょう」
胃痛、胃もたれ、胃のむかつきなども暑い日が続くと出やすい。
「キリキリとした胃の痛みは胃酸過多が原因で起こります。
このとき、痛みがあるからといって解熱鎮痛剤を使うのはNG。胃の粘膜が荒らされて、かえって胃痛が悪化することも。最初はガスター10などH2ブロッカーと呼ばれる胃酸をコントロールする薬を1週間ほど服用し、その後、胃の粘膜を保護する薬を飲んで粘膜を落ち着かせましょう」