他の避妊法より失敗率は高いのに日本がコンドーム偏重である背景
避妊における「男性のコンドーム」の使用率について、他国を見てみると、フランスは7.0%、アメリカは9.4%、イギリスは27.0%と…、世界と比べても日本は圧倒的にコンドームによる避妊法が多いことがわかります。なぜ日本では、失敗率の高いコンドームによる避妊が、メジャーなままなのでしょうか。
「背景には、日本では避妊に関して女性が主導権を取るべきではなく、男性に責任を取らせるべきだ、という考え方があるように思います。しかし、妊娠する女性も自分の体に責任を取らなくて、他人に取らせることはできません。結婚しようが、夫の収入で暮らそうが、それは責任を取ったことにはなりません。妊娠・出産でキャリアや生活に支障をきたすことに関して、たとえ夫であっても責任など取れるはずはないのです」
もちろん、コンドームがもっとも身近に購入できる避妊具であることも、日本のコンドーム利用率の高さに影響しているでしょう。しかし、問題の根には女性の人生やキャリアに対する軽視があり、女性も男性に依存的で生き方への主体性が薄い点があるのではないかと、早乙女さんは指摘します。
「例えば、コンドームを使用していたにも関わらず、世界大会に出場すれば金メダル間違いなしといわれて何年間も練習を続けてきた選手をうっかり妊娠させ、大会に出場できなかった場合。