国産CPAPで睡眠時無呼吸症候群の治療を変える、メトランの挑戦
と思いました。そして、競合相手の製品を知るため、他社の製品も片っ端から自分で試してみようと考えたのです。 日本で買えない製品は、アメリカで6年ほど仕事をしていたときの知人を介して、インターネットのサイトで入手しました。ベッドの周りにはありとあらゆるCPAP装置やマスクが置かれ、私の寝室はさながら実験室のようでした。毎晩違う機械を使っては、朝起きた時に「これは気持ちよく起きられた」「これはダメだ」と、それぞれの製品の長所・短所を徹底的に比較・研究しました。 今回開発したJPAPは、その研究を元に医師たちと議論をしながら、「自分が使うための機械」として開発したというところがあります。ですから、私が現時点でベストなものを作ったと思っていても、一方ではいいと思わないという意見も出てくるかもしれません。また、それまでのメトランの製品は、使う人のことをそこまで突き詰めて考えて作っていなかったという反省もあります。
CPAPの良し悪しは「呼吸仕事量」で決まる
CPAP装置の良し悪しを判断する指標のひとつに、私たちの専門用語で「呼吸仕事量」と呼んでいるものがあります。私たちが普段呼吸しているときには周りにいくらでも空気があるので、息を吸ったからといって周囲の圧力が下がることはありませんが、CPAPではマスクをつけ、機械を通して呼吸をサポートしてもらうことになります。