【お医者さんに聞いてみよう!】Q:LDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますか?
質問:LDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますか?
日本では2人に1人はメタボの可能性があると騒がれています。主人のLDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますでしょうか。こってり系のラーメンが好きで、運動不足なのでとても心配です。生活習慣病や心臓病などにつながるといわれていますが、実際は太った日本人のどのくらいの割合の人が治療の必要な病気になるのでしょうか?
東京都:たもつさん(32)
回答:LDL値とメタボリックシンドロームの関係についてお答えします。
――「LDLコレステロール」について
まず、LDL値が高いことと、メタボリックシンドロームとの関係についてのご質問ですね。メタボリックシンドロームの診断基準の中の脂質の項目は、「HDLコレステロール」が40mg/dl未満、中性脂肪値が150mg/dl以上となっており、実は「LDLコレステロール」の値に関する基準はありません。
なぜ、LDLコレステロールの基準値が盛り込まれていないかといいますと、内臓脂肪として蓄積される脂肪は中性脂肪であり、このことからメタボリックシンドロームになると中性脂肪は高値に、HDLコレステロールは低値になります。一方、LDLコレステロール自体は、内臓脂肪の蓄積とはあまり関係していません。
このためLDLコレステロールは病名としてメタボリックシンドロームを診断する上では、考慮されないということになります。しかし、LDLコレステロールは単独で強力に動脈硬化を進行させてしまいますので、心疾患、脳卒中などを予防するために適正値にコントロールしていく必要があります。