【お医者さんに聞いてみよう!】Q:慢性肝炎の初期段階、症状をこれ以上悪化させないためにどんなことに気をつけたらいい?
食べ物に含まれる鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚に多く含まれ、消化管から吸収される割合は23%ほどです。非ヘム鉄は、野菜や穀類に多く含まれ、吸収される割合は3~8%ほどです。食事で鉄を制限する場合には、吸収率の高いヘム鉄を含む食べ物に注意することが大切です。基本的なポイントとしては、以下のようになります。
- 肉は控えめにしましょう。特に鉄を多く含む牛肉、レバーには注意しましょう。
- 赤身魚、青魚、貝類は鉄の含有量が多いので、控えめにしましょう。白身魚は鉄の含有量が少ないので、大丈夫です。
- 卵のうち卵黄は鉄を多く含むので、控えめにしましょう。
- 緑の濃い野菜は避けましょう。
- ビタミンCは鉄の吸収を高めます。ビタミンCを多く含む果物は、間食でとるようにしましょう。
- 緑茶、コーヒー、紅茶などはタンニンを多く含みます。タンニンは、鉄と結合して、鉄の吸収を抑えます。積極的にとりましょう。
鉄を制限した食事療法は、栄養士の指導のもとに行われることが望まれます。詳しくは、かかりつけの医師に聞いてみましょう。
<「B型肝炎」「C型肝炎」で気をつけること>
それでは次に、B型、C型慢性肝炎に共通して気をつけたいことをみていきましょう。
■栄養バランスを考えた食事を規則正しく
栄養バランスの取れた食事を1日3食しっかりとるようにしましょう。たんぱく質の多い食品をとるようにしてください。肝臓の機能が落ちてくると、たんぱく質を作る機能も落ちてきます。それを補うためにも、たんぱく質をたくさんとる必要があります。目安は、体重1kg当たり1.5gです。
また、食後は30分~1時間程度横になりましょう。
■お酒は避ける
お酒は、肝臓で解毒されます。肝臓の機能が下がっている慢性肝炎では、少しお酒を飲んだだけでも肝機能が悪化することがあります。基本的には、禁酒です。
■薬の服用は慎重に
市販の薬には、肝臓に負担をかける薬もあります。風邪を引いただけで病院に行くのはおっくうかもしれませんが、慢性肝炎をお持ちであれば、念のため病院を受診し、肝臓にやさしい薬を出してもらいましょう。市販の薬を自己判断で飲むのは止めましょう。