2022年11月17日 16:00
国際文化学園の美容考古学研究所が「土偶の作り方を通して考える、土偶の意味」をテーマに勉強会を開催
学校法人国際文化学園の美容考古学研究所は、土偶作家として知られる田野紀代子さんを迎え、「土偶の作り方を通して考える、土偶の意味」をテーマとした勉強会を行いました。
田野紀代子さん
当研究所では、土偶、埴輪のヘアメイクから縄文、弥生、古墳時代の美容を研究、歴史的遺物から当時の髪型や化粧を類推して再現することを主とする活動の一環として、毎月末の最終水曜日に定例サロンを無料開催しています。
10月度の勉強会では土偶作家として知られる田野紀代子さんをお迎えして、土偶の作り方についてお話しいただきました。縄文時代の人々はどのようにして土偶を作ったのでしょうか。サロンでは、滋賀県と千葉県で出土されている二つの有名な土偶(トルソ型土偶、バイオリン型土偶)について話しあいました。これらの土偶は、草創期、早期という縄文初期のものですが、いずれも頭がなく、首に穴が開いています。田野紀代子さん曰く、「この穴は、製作中に用いた棒の痕跡ではないか」という見解が述べられました。棒の周りに粘土をつけ、その棒を軸に成形すると、このような小さな土偶も効率的に作れるという見解です。
この穴については、霊気や悪霊を閉じ込めるためというシャーマン的な発想ではないかという説も多くありますが、田野さんの説は、作り手だからこそ考えられる意見であり、会場の皆様はうなずきながら聞いていらっしゃいました。