自発的な身体活動により、骨格筋が肥大することを確認 ―豊かな環境が動物モデルに与える影響を検証―
、速筋型/遅筋型*2の存在割合の変化などを数値化し、比較検討しました。
豊かな環境モデルの概要
【結果】
豊かな環境で飼育した動物の身体活動量は、何も道具がない環境で飼育した動物と比べて、約1.5倍の高値を示しました。身体を動かしたくなる環境を作ることで、自らの意思により身体を動かす、すなわち身体活動を促進できる可能性があることが示唆されました。
それぞれの環境における身体活動量
また豊かな環境で飼育した動物の後肢骨格筋のデータを、何も道具がない環境で飼育した動物と比較・分析した結果、抗重力筋であるヒラメ筋*3が約10%多いことがわかりました。また筋肥大したヒラメ筋では遅筋型の筋細胞の横断面積が増加しました。
実験結果の概要
【筆頭著者のコメント】
今回の研究では、豊かな環境が自発的な身体活動を促進し、抗重力筋の筋量を増加させることが、動物モデルで確認されました。この結果は、運動に苦手意識を持つ不活動気味の方々に向けて、筋量低下の予防策として、筋力トレーニングなどの特別な運動ではなく、日常生活の中でちょこちょこ活動を増やすことを推奨するための科学的エビデンスの一つとなります。