長期休み明けは、「脂肪肝リスク」に要注意 ~健康診断までに知っておきたい、肝機能を保護するMCTオイルの可能性~ 中村康宏先生のインタビュー記事を公開
その特性はダイエットやエネルギー補給に役立つだけでなく、脂肪肝の改善や予防に寄与する可能性も示唆されています。
MCTオイルの主成分である中鎖脂肪酸は、比較的短い分子構造をしています。一般的な油に含まれている長鎖脂肪酸と異なり、中鎖脂肪酸は消化吸収が非常に早く、小腸から門脈を経由して直接肝臓でエネルギーとして分解されるという特性を持っています。このため、通常の脂肪と比べて体に蓄積されにくく、脂肪肝のリスクを軽減する効果が期待されています。
京都大学の研究では、MCTオイルを摂取したマウスの肝臓が脂肪肝の進行を抑え、正常な状態に近づいたことが報告されています。このことから、中鎖脂肪酸は肝臓内の炎症を抑える作用があり、脂肪肝が進行して脂肪性肝炎へと悪化するのを防ぐ可能性が示唆されています。この研究成果は、脂肪肝患者や脂肪肝予備軍への治療・予防法の新たな可能性を示しています。*
*出典:Medium-chain fatty acids suppress lipotoxicity-induced hepatic fibrosis via the immunomodulating receptor GPR84 (JCI Insight DOI:10.1172/jci.insight.165469)