子育て情報『【医師監修】「予定帝王切開」って何? 手術から退院までの流れを解説』

【医師監修】「予定帝王切開」って何? 手術から退院までの流れを解説

 

予定帝王切開の日程を決定するのはいつ?

妊娠後期(妊娠28週以降)に入ったら、母体の状態と赤ちゃんに起こる合併症を考慮して手術する日程を決めます。手術日が決定した後、手術前に必要な説明や検査などの準備をしていきます。

帝王切開をおこなう週数が早いほど、赤ちゃんの呼吸障害や低血糖などの合併症が起こりやすいため、分娩予定日近くに帝王切開をおこなうことが望ましいですが、手術予定日前に陣痛が始まったり、破水したりする可能性はゼロではありません。そのため、それまでの妊娠経過や前回の出産経験などを参考に、担当医による総合的な判断で手術予定日を決定します。


予定帝王切開に向けて事前におこなう検査や準備は?

手術予定日が決定したら、医師が文書を用いて帝王切開の適応や手術の流れ、麻酔方法、帝王切開に伴う合併症の可能性、静脈血栓塞栓症の予防の必要性、輸血の可能性や合併症などについて説明をします。施設ごとに文書は異なりますが、手術同意書、麻酔同意書、輸血同意書などがあります。これらの書類は、説明を聞いた後に妊婦さんとその家族の署名が必要となる大切な文書でもあります。このような説明は、妊婦健診で外来を受診したときにおこなわれますが、麻酔の説明は麻酔科医によって入院後におこなわれる場合もあります。説明を聞いて、わからないことがあれば医師や助産師へ質問し、同意書の内容をきちんと理解し、納得したうえで同意書に署名しましょう。

帝王切開を安全におこなうために事前に検査が必要です。妊婦健診の際に、感染症や血液検査、尿検査などはおこなっているので、それらの結果も参考にしながら下記のような検査をおこないます。

・血液検査:手術中の出血に対する準備や麻酔方法の決定のために採血をする
・胸部X線検査:肺の状態や心臓の大きさをチェックする
・心電図:手術中の出血や麻酔によって循環動態が変化しやすいため、事前にチェックする
・下肢静脈エコー:肥満など下肢静脈血栓が生じる危険性が高い場合にチェックする

また、手術中の大量出血に対する準備として、事前に自分の血液を採取して保存する自己血貯血をすることがあります。
自己血貯血は、採血しておいた自分の血液を必要時に輸血するというものです。子宮筋腫や前置胎盤など大量出血が予想される場合は、自己血貯血について医師から提案されることもあります。

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