妊娠中、風邪や疲労回復のために「栄養ドリンク」を飲んでもOK?NG?
効果があると信じて飲めば効くかもしれませんが、そもそも体内に不足していない栄養成分であれば不要なものとして尿中へ排泄されてしまいます。
よって、「妊娠・授乳期の栄養補給」「産前産後の栄養補給」と表示された栄養ドリンクを妊娠中に飲んでもかまいませんが、製品に表示されているとおりの効果が本当に得られるかどうか医学的に判断することはできません。
妊娠中のカフェインの摂取量の目安
カフェインには、程よい量を摂取すると交感神経を刺激して、眠気覚ましなどの覚醒作用、尿の排泄を促す利尿作用があります。ただし、妊娠中はカフェインの分解や排泄をする機能が低下すること、カフェインは胎盤を通過して胎児へ移行すること、カフェインが胎盤を流れる血流を低下させることから、胎児の発育を妨げたり、流産や早産、低出生体重児の原因となる可能性があるため、カフェインは妊娠中に大量に摂取することを控えたほうが良い成分です。
妊娠中のカフェインの摂取量の目安は、1日あたり合計200mg未満です。カフェインはコーヒーやお茶などにも含まれるので、下記を参考に1日の合計を200mg未満に抑えれば、「妊娠・授乳期の栄養補給」「産前産後の栄養補給」と表示のある栄養ドリンクは飲んでもかまいません。
【カフェイン含有量の目安(100mlあたり)】
玉露160mg
コーヒー60mg
紅茶30mg
煎茶20mg
ほうじ茶20mg
ウーロン茶20mg
麦茶0mg
妊娠中のアルコール摂取について
妊娠中に母親がアルコールを飲むと、おなかの中の赤ちゃんの体の発育、脳の発達へ深刻な影響を与え、胎児性アルコール症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高まります。
アルコールの耐性については個人差が大きいため、妊娠中の飲酒量や赤ちゃんへ影響しない許容量は定められていません。アルコールを微量でも含む栄養ドリンクは飲まないようにしましょう。
栄養ドリンクは妊娠中の栄養補給や休息の代わりにはなりません
妊娠中に風邪などで体調がすぐれないときや疲労回復したいときは、十分な睡眠をとり、食べやすい栄養のある食事をとりましょう。栄養ドリンクを飲んだとしても、体力が回復するわけでも疲労がなくなるわけではありません。
つわりや胃腸の調子が悪くて食べることができず、栄養ドリンクしか飲めない状況であれば、それは病院での治療が必要な状態ですので、直ちに産婦人科を受診しましょう。