2020年10月15日 18:30
「正直つらい…」やっと退院できた息子との生活は想像以上に大変だった
「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。 おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。
先天性横隔膜ヘルニアの手術後、長い入院を経て退院した末っ子の息子。人工呼吸器をつけた状態で不安はあったものの、やっと家族みんながそろって喜んでいました。
しかし、退院したのは4月。上の子は幼稚園に入園したばかりです。入園直後のごたごたのなかで、医療的ケア児を抱えた生活はつらいものがありました。
今回は、人工呼吸器をつけた息子をケアするうえで大変だったことや、上の子たちへの影響についてご紹介します。
アラームが鳴りやまなかった退院直後
退院した息子は人工呼吸器や血中酸素濃度を測る機器などをつけており、扱いが繊細で非常に大変でした。血中酸素濃度を測る機器は足の親指につけているのですが、値が下限を下回るとアラームが鳴ります。最初は固定が甘く、少し足を動かすだけではずれてアラームがよく鳴りました。
また人工呼吸器にも、はずれたり、回路の途中に問題があったりしたときのアラームがあります。回路に結露がたまるだけでアラームが鳴ってしまうのです。
センサーの固定方法や結露がたまりにくいような回路を見つけるまで、3日くらいはかかったと思います。息子は寝ていて、危険な状態でもないのに、毎晩電子音にたたき起こされる日々は非常につらかったです。
服薬に苦戦!初めての授業参観も遅刻
息子は当時1日3回服薬していましたが、そのなかに苦くて溶けづらい薬が混じっており、飲ませるのに毎回苦戦していました。息子が嫌がるのはもちろんのこと、大人用の錠剤を砕いたその薬は他のものより粒子が大きく、しばしばスポイトに詰まってしまうのです。退院してすぐに上の子の初めての授業参観があったのですが、服薬に手間取って家を出るのがギリギリになってしまったせいで駐車場があいておらず、30分以上遅刻してしまいました。