子育て情報『「死んでしまうの…?」不安でたまらなかった。横隔膜ヘルニアで生まれた息子のこれまでとこれから』

2021年2月5日 19:00

「死んでしまうの…?」不安でたまらなかった。横隔膜ヘルニアで生まれた息子のこれまでとこれから

医療的ケアがなくなっても終わりじゃない

息子の医療的ケアは生後11カ月でなくなり、見た目は健常児と変わらない状態になりましたが、油断は禁物でした。息子は1歳以降に2回、風邪をこじらせてこども病院に入院しています。

そのうちの1回は、再び人工呼吸器を装着するための気管内挿管を伴う非常に重篤なものでしたが、原因は特別な病気ではなく、「ごく普通の風邪」です。

上の子たちが数日の咳だけで熱も出ずに終わったような風邪でさえ重篤な状態になる息子は、医療的ケア児ではなくなっても注意深くケアしなければならない病気を抱えた子に変わりありません。


息子のこれからを考えて決めた仕事

昨今、新型コロナウイルス感染症対策が徹底されていることもあり、ここ1年ほどは病気をしていない息子。しかし、幼稚園、小学校……と集団生活が始まれば、風邪をひくでしょうし、こじらせてしまうこともあるかもしれません。そんなとき、なるべくスムーズにストレスなく付き添ってあげられるように、私は在宅フリーランスとして働く道を選びました。

最初のきっかけこそ息子でしたが、上の子たちが体調を崩したときにも柔軟に対応でき、幼い子3人を育てる自分には合っていたなと思います。息子が生まれたからこそ見つけることができた、天職です。

医療的ケア児の息子と過ごした日々はきれいごとでは済まない大変さがありましたが、結果的には私の視野が広がり、働き方や家族のあり方など、さまざまなことを考え直す良いきっかけになりました。一時は「痛みしか知らないまま死んでしまうのかもしれない」と思った息子が今いろいろなことでニコニコ笑うたびに、心の底から幸せな気持ちになっています。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。
必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

著者:岩崎はるか

2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。

監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.