赤ちゃんの「不要不急」の受診って?「受診したほうがいい」ボーダーラインとは?
こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。一部の地域ではあるものの、長期間にわたっている緊急事態宣言。まだまだ気軽に外出ができない状態が続きます。
そんな中、子どもの病気や子育てについて、誰にも相談できず悩んでいる方も多いかと思います。私のクリニックでも、やっぱり受診は減っていて、パパやママたちが困っていないか心配しているところです。そこで、赤ちゃんにとっての「不要不急の受診」について、改めて考えてみたいと思います。
「不要不急の受診」って?
私にとっては、の大前提ですが、パパママが心配で受診を考えたなら、それはどんな症状でも「不要不急」ではない、と思っています(もちろん、医療者によっても考え方は違います)。
今回は、「受診したほうがいい?」「様子を見ても大丈夫?」と悩む親御さん向けに、赤ちゃんの症状別に受診の目安をお伝えします。
風邪症状
咳、鼻水、下痢などが起きる風邪症状。風邪症状自体は、薬を使わなくても自然に良くなっていくこともあります。そのため、食事ができていたり、おっぱいやミルクが飲めていたり、夜寝られている場合は診察が必要というわけではありません。
とはいえ、鼻水にしても小さい赤ちゃんの場合、鼻水が詰まってうまくミルクが飲めなかったり、夜何度も起きてしっかり眠れなかったりすることがあります。そのような場合はいったん受診した方が良いと思います。鼻水に関しては吸引が有効です。
咳に関しても同様で、機嫌が良くごはんが食べられている、咳で吐いたりしない、夜眠れているようなら様子を見てもいいかもしれません。
しかし、生後3カ月以下で発熱がある場合は、敗血症や髄膜炎大きな病気が隠れている可能性があるため、元気がある程度あってもいったん受診をおすすめします。
便秘
便秘は「たかが便秘」なのですが、「されど便秘」です。赤ちゃんは「苦しい」「おなかが痛い」と言葉で表現することができません。親御さんが「便秘だな」と感じたら、いったん受診をおすすめします。
●3日に1回はでている
●出るときにスムーズにでている(長時間いきんだり、出すとき痛くて泣いたりしない)
●おっぱいミルクの飲みが良い
という場合は、家で様子をみても良いでしょう。
逆に4日以上出ていない、出すときに激しく泣いたり長時間いきんだりする、飲みが減ってきた感じがする場合は受診をしましょう。