妊娠中、高血糖が続くとどうなる?妊娠糖尿病の治療・出産方法は?
妊娠糖尿病と診断された場合の出産方法
分娩方法は原則、経腟分娩です。食事療法などによって血糖コントロールが良好であれば、自然に陣痛が来るのを待ちます。母体と赤ちゃんの健康状態をみながら、予定日より早い段階で誘発するのか、予定日過ぎても自然に陣痛が来るのを待つのかなどは、担当医が判断します。
巨大児で肩甲難産が予測できる場合や陣痛中に母体や赤ちゃんの状態が急激に悪化する場合など、経腟分娩が難しいと判断された場合は帝王切開術をおこないます。出産直後は、ママも赤ちゃんも血糖の急激な変動を起こる可能性があるため、それぞれの血糖測定をおこない、適切な治療をします。
出産後の過ごし方
産後に血糖値が落ち着いても、将来的に糖尿病を発症する可能性があるため、妊娠糖尿病と診断された場合は、産後も一定期間は食事療法や血糖測定などをおこないます。どのくらいの経過をみるのか、個人差があるので担当医の指示に従いましょう。
母乳育児は、妊娠糖尿病から糖尿病への進行を抑え、赤ちゃんの将来的なメタボリックシンドロームの予防につながるといわれていますので、母乳栄養や授乳方法については、助産師へ相談してアドバイスをもらいましょう。
まとめ
妊娠中に高血糖となった場合、食事に気を付けたり、血糖測定や注射の度にチクッと針を刺すことにストレスを感じてしまうかもしれません。また、出産後に授乳を頑張ろうと思っても、睡眠不足や疲労で更なるストレスを抱えるママも少なくありません。ストレスも血糖の変動に影響するといわれていますので、担当医や助産師、栄養士の専門的なアドバイスを参考に、パパや家族に協力してもらいながら、じょうずに血糖コントロールをしましょう。
監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生
京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。
京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士