いっしゅう:ドイツー、スイスー、イタリヤ……、あと……。
父:フィンランドにオランダね。
まほ:すごい!
父:会社と2年ほど話して、やっともらえた長期休暇で。
まほ:素敵……。
いっしゅう:このクリスタルね、化石だと思うんだけどね……。ネコの。
まほ:え!?ネコの化石!!?
いっしゅう:ネッコ!
まほ:ああ。根っこね。
いっしゅう:他にもね、アメジストとかも落ちてるところで……。
父:湖の近くに、そういう場所があったんだよな。
まほ:石も好きなんだね。
父:石、大好きだよな。
まほ:宝物だね。
いっしゅう:うん!たからもの。あと、これも。
まほ:これは……泥団子?
いっしゅう:そう。
泥団子を焼いて作ったの。
まほ:もしやこれもフランスで?
いっしゅう:うん。
まほ:フランス産の泥団子焼か~。なんだか有り難みを感じる……。
何よりもヒマが嫌い。ずーっと遊んでいられます。
わたしたちがワインを飲んだり、パンをつまんだりしている間、いっしゅうくんはずっとウロウロと歩き回って木の皮を拾ったり、落ち葉を観察したりしています。
まほ:お父さんも小さい頃、こんな感じだったんですか?
父:いや、僕は次男だったんで……こんな風に好きなものを見つけて、ひとりで遊ぶなんてしなかったですね。
ずっと兄貴のしていることを追っかけているという感じで。
まほ:いっしゅうくんはひとりで黙々と遊んでますよね。
父:自分で興味のあるものを探して遊ぶんですよ。すごい。
まほ:ねえねえ、いっしゅうくん。好きなもの見つけるの、なんでそんなに得意なの?
いっしゅう:ヒマがいやだ!
まほ:え!そうなんだ。
いっしゅう:ヒマ、大嫌い。
まほ:なんにもない時間をダラダラとか……。
いっしゅう:ヤダ!30分が1年に感じる。
まほ:いいな~その感覚。わたし、今その逆だもん。
いっしゅう:ヒマすぎる時に、宿題する。ヒマじゃない時は、しない。
まほ:(笑)。あーじゃあ、植物とか、石とか、遊びに夢中な時には宿題しないのね。
いっしゅう: (元気よく)うん!そういう時はねー、こっち(右)に手が2本、こっち(左)にも手が2本あればいいなあって。
まほ:遊びって、植物を観察して、どんなことするの?
いっしゅう:これね、いっしゅうくんの作った本だよ。
まほ:おお!
いっしゅうくんが見せてくれたのは、ホッチキスで止めてつくった手作りの豆本。