連載記事:つぶさない子育て
攻撃的な子どもが増えている!? トラブル回避を最優先にした先に起こることとは【つぶさない子育て Vol.1】
■社会全体がトラブル回避の思考回路に陥っている
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――このご時世、「子どもを預かる立場」だと慎重にならざるを得ないのではないでしょうか?
預かる側に悪気はありません。「何かあったら、訴えられてしまう」という思考回路に陥るのは当然です。ただ、
「トラブルが起こらないこと」が最優先項目になった教育の先に何があるのか? ということを、一度考えてみて欲しいのです。
日本だけではなくアメリカでもそうなら、
世界全体がトラブル回避の思考回路に陥っている可能性も考えられます。
――そんな時代、保護者はどうしたらいいですか?
まず、「今の世の中は、トラブル回避に進みがちだ」と知っておくことです。そんな時代に子育てをしているのだから、
「子どもの心を強くする経験をさせる」ということを、保護者は強く意識していかないといけません。
「心を強くする経験」は、これからの子育てを考える時、一番のキーワードになります。もう少し具体的に言えば、
「事件化しない」ということです。
――「事件化しない」とは?
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何か困ったこと、嫌なことがあったとしても、「そういうこともある!」と「事件にしない」という形で、親が子どもに状況を提示してあげる必要があります。
周りを見渡してみても、強くてめげない人の基礎には、「いちいち事件化しない姿勢」「いろいろなことがあるけれど、乗り越えてきた」という経験が必ずあるものなのです。
初っ端から高濱先生のお話は、心に響きます……。
次回は、母親にとっては事件中の事件、最近、増えている不登校についてお話ししていただきます。
左:高濱 正伸さん、右:楢戸ひかる
■今回お話を伺った高濱 正伸先生の著書
『どんな時代でも幸せをつかめる大人にする つぶさない子育て』
高濱 正伸 (著)/ PHP研究所(1,540円(税込))
子どもの人生の選択肢を増やしてあげたい。あの時、子どもに「あれをやらせておけばよかった」と後悔したくない。そんな深い親の愛が時に暴走してしまうことがある…。
「どうしてできない!?」と子どもを責めたり、「そんな点数じゃ、○○中学なんて入れないぞ!」と脅してしまったり…。それで、子どもがつぶれては本末転倒です。
そんなお母さん、お父さんたちに意識して欲しいのが「伸ばすよりも、つぶさない子育て」。子どもとの適切な距離感がわかり、子育て不安が軽くなる1冊です。
高濱 正伸(たかはま まさのぶ)先生
1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。
武蔵野美術大学客員教授。環太平洋大学(IPU)特任教授。
花まる学習会 高濱正伸さん
ママと家族の「はたらく」を支援する、保育施設併設シェアオフィス マフィス設立10周年