自分の気持ちが言えない子。裏側にある理由と親ができること
したがって、大人からは、その子の優しさを認めてあげる声がけが最も重要です。
ケンカをしたくないという気持ちも、優しさからくることが多いので、その優しさを長所として認めてあげることで、子どもとしても自信をもつことができます。
たとえば「〇〇ちゃんは優しいね、そんなあなたが大好きだよ」と声がけしてみましょう。
優しさを認められることによって、自己肯定感が育ち、相手の子から多少きつい言葉をかけられても、忍耐強く、柔軟にかわすことができるようになっていきます。
ただし「つらい時は大人に相談したり、相手の子に辛いと伝えることも必要だよ」とも、日頃から伝えておくとよいでしょう。
言いたいことが言えない理由3:どう言葉にしていいかわからないから
言葉で感情や状況を表現することが難しいと感じる子どもの中には、相手を叩くなど力に訴える子もいます。
そういう子どもに、友達とトラブルがあったときに話を聞こうとしても、何も言わずに黙っているということも。
わが家の長女が小学校の低学年だった頃の友達に、とても口下手な子がいました。
普段は決して物静かな子ではありません。ふざける時はよくしゃべり、大騒ぎをするのに、ケンカになってお互いの気持ちを相手に話す時や、先生に事情を話すべき時などになると黙りこくってしまうのです。
このような子どもに多いのが、気持ちを表現したり、理解したりするような語彙力が足りないということ。絵本などをあまり読んだ経験がないということも多いようです。
その場合には、語彙力を伸ばし、同時に様々なシチュエーションの本を通して疑似体験できるよう、意識して本を読むのがおすすめです。
また、日頃から大人が気持ちをゆっくりと聞いてあげることも非常に効果的です。
最初は、今何を考えているのか、どう思っているのか、聞いてもなかなか言葉にはなりません。しかし時間をかけて待ってあげましょう。
身近な大人に気持ちを聞いてもらえることは、自分の気持ちを上手に表現できるようになる重要なステップです。
子どものペースを大切にゆったり見守って
いずれの場合も大切なのは、子どものペースや、子ども自身の気持ちです。
本人から言葉が出てこないうちに大人が急かしても、子どもにとってはますます言いたいことが言えない状況になってしまうので、注意したいですね。大人はあくまでも促すだけに留め、子どもから言葉が出てくるようになるのを助けてあげる意識を持ちましょう。