シリーズ 専門家にきく! 映画『若おかみは小学生!』高坂希太郎監督にインタビュー 子どもたちに伝えたい“おっこ”が大切にする「もてなしの心」
――映画のオリジナルストーリーも入っているということで、ますます楽しみですね!
絵を描き、自然のなかで遊んだ少年時代
――ところで、今回は高坂監督の子ども時代のお話もうかがいたいのですが、どんな少年でしたか?
高坂:小さいころからずっと絵を描いているような子でしたね。授業もろくすっぽ聞かないで、落書きばかりしていました(笑)。でも、絵を描くことでいろいろと発見することができたんです。それがぼくの勉強でした。
――絵を描くことが勉強になったということですね。どんな絵を描かれていたんですか?
高坂:花も描きましたし、マンガみたいな絵やキャラクターを描くこともありました。ところが、キャラクターだけ描いても絵の世界は成立しないわけです。キャラクターの周りにビルや家、イス、机といったいろんなものも描いていくことで、構図を考えるようになり、かなり頭がきたえられたんですよ。
それから、近くの山に行って秘密基地を作ったり、自転車レースをしたり、田んぼで野球をしたり、川でフナやカエルを捕まえたり……。小6のころは、そんなことをよくしていましたね。自然と触れ合う場って勉強になると思うんですが、ぼくが子どもだったときよりも、現代は明らかに自然に触れる機会が少なくなっています。
アナログ的な世界と自分を結びつけないで、スマホやデジタル機器だけで子ども時代を過ごすのはもったいないとは思います。
――ゲームやスマホよりも、自然で遊ばせたいと思っている保護者の方は多いとは思うのですが、現代では難しいですよね。
高坂:でも、ぼくが子どもだったときに、今のようなおもしろいゲームがあったら……きっとゲームで遊んでいたとは思いますね(笑)。
ひとり娘の父でもある高坂監督。もう成人している娘さんも、この映画を楽しんで観てくれたそうです。
好きなことやりたいことは、つらくてもがんばれる!
――アニメは子どものころから、ずっと好きだったんですか?
高坂:そうですね。テレビでアニメを観ては「今日の絵はうまく描けている」とか「今日の絵は下手だったな」とか、子どもながらにジャッジするほど真剣に観ていました(笑)。
当時、宮崎駿さんや高畑勲さんのテレビアニメがよく放送されていたので、宮崎さんたちの作品はずっと観ていました。
――アニメを仕事にしようと思ったのは、いつですか?
高坂:高校生になり、進路を決めなくてはならなくなったとき、いろいろ悩んだんですが「アニメの仕事をしてみたい」