データで読み解く、子どもとスマホ 第62回 アプリ利用の実態調査から見えてくるもの
(2018年3月)」より
全世代でもっとも多い回答は「(人との)繋がり」でした。10代のつながり指向はやはり高いのですが(29%)、40代(18%)や50代(20%)、そして60歳以上(17%)も高めの数字になっています。
子ども世代も親世代もアラカン世代も、人とのつながりにスマホの利用メリットを感じていることが共通しています。
ちょっと面白いのは、40代・50代では、スマホを使うメリットに「移動(地図)」をあげた回答が多いことです。その世代の方ならみんな、遠出するときに地図をめくったり、時刻表の冊子をチェックした経験があるでしょう。それらがネットで見られるようになったときの便利さは、鮮烈な驚きをもたらしたものです。
でも、いまの若い世代にとって、移動に関する情報をネットで見られるのはあたりまえです。たとえば地図サービスの代表格、Googleマップのサービス開始は2005年。
中学生以下の子どもは生まれるまえから「ネット地図」が世の中に存在しているわけです。移動(地図)とする回答が10代3%、20代2%と低いことからは、若い世代が特別な感慨もなく、既存の情報インフラとして使っているようすが見えてきます。
同じスマホを使っていても、親世代と子ども世代では見えているものが違っているかもしれない、そんなことに気づかされる調査結果です。
次回も「中高生のスマホ利用動向調査レポート」からSNSの使い方についてみていきます。
※1 一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会
「中高生のスマホ利用傾向調査レポート」(2018年3月発表)
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。