中学生のスマホデビュー・リアルタイムレポート 第63回 SNSで考える子どもとの適切な距離
トップライター:坂上さえ
ブラックボックスはNG
Twitterの初期設定をわたしといっしょに行なって、非公開アカウント(かぎアカ)を作った娘。はじめにしてもらうのは、娘が大変に嫌がっている、わたしのアカウントとの相互フォローです。
わたしの気持ちは、何度も娘に伝えました。
「かぎアカをブラックボックス化してしまったら、なにかあっても大人がすぐ対応できない。だから、非常口としてフォロー/フォロワーになる。」
自分の交友範囲内に親が入ることには抵抗があることはよく分かります。それでも、大人サービスの代表格であるTwitterデビューにあたって、いわば救命具として、大人の目が必要だというのがわたしの考えです。
だから、揺るがず
「あなたの友人関係との交流を監視するつもりはまったくない。フォローはするけどミュートする。」
という姿勢をつらぬきました。
兄からも
「親に見られて困るようなツイートをしなければいいだけでしょ。」
という援護射撃があり、娘はしぶしぶ同意しました。
最後の最後までぼやきつつ、娘のアカウントとわたしのアカウントで相互フォローを完了。そして約束どおり、わたしのアカウントからは娘の日々のつぶやきが見えないようにミュートしました。わたしのアカウントの扱いについては娘に任せました。
実は、かくいうわたしも、自分のアカウントのつぶやきが子どもたちに見られると思うと、身構える気持ちになります。でも、それは同時に、子どもに見られてみっともないつぶやきはできないな……という自制心につながっているような気がします。
子どもとフォロー/フォロワーになるということは、子どもの日常に立ち入るライン、そして自分の日常に立ち入らせるラインを決めることです。親子で節度を意識しなくてはいけないと感じました。
そして自分の現実的な行動として、グチや不平不満のつぶやきは封印します!
海外の友だちとDMのやりとり
娘はさっそく海外研修で知り合った友だちのアカウントにダイレクトメッセージ(DM)を送って近況報告をしたり、フォローしあったりしています。
娘はDMではSNS特有の英語表現(大文字を使わない、for you の音から4u とつづる、など)にとまどいながらも、Google の翻訳機能を駆使してなんとか意志疎通をしているようです。てのひらに収まる小さな端末が世界につながり、人の輪が広がっていくようすに、時代は変わったなという思いを強くしました。