データで読み解く、子どもとスマホ 第63回 SNSと顔写真
10代の女性に限ってみると30%で、全世代で断トツのトップです。自分や家族の顔写真の投稿は控えめ、でも友だちの顔写真はよく投稿するという非対称性には少々驚かされます。
とはいえ、一般的にSNSには画像や書き込みを友だちなどに限定して公開する機能がありますから、広く一般に顔写真を公開しているということではないのでしょう。
記念写真などをクローズドなグループ内で公開しあうことで、自分の撮った写真を仲間で共有したり、イベントの余韻を味わったりした経験は、きっと読者のみなさんにも心当たりがあるでしょう。
気になるのは、「本当にそのグループはクローズドなのか?」ということ。
たとえばLINEのグループトークには、友だちの友だちの友だち……というような、仲間というには微妙な関係の人も、だれかの招待で入ってくる可能性があります。
そんな立場の人がアップされた写真をどう扱うかは未知数です。あまり知らない人に自分や友だちの写真を渡す人はいませんよね。
同じように、SNSの(一見)クローズドなグループのなかであっても、顔が特定できる写真については慎重に取り扱いたいものです。グループではなく個人あてにダイレクトメッセージを送る、GooglePhotoの共有アルバムで信頼のおける人にだけ見せたら共有をオフにするなど、くふうしだいでさまざまなやりかたがあります。
人生の早いタイミングでスマホという“拡散機能付きカメラ”を手にしている子どもたち。子ども自身が慎重に対応できるよう、保護者がSNSデビューのころから導いていきましょう。
※1 一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会
「中高生のスマホ利用傾向調査レポート」(2018年3月発表)
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。