すくすく伸びる子どもたちに、本当に大切なこと 子どもが生きていくうえで大切な土壌、「自尊感情・自己肯定感」と「他者信頼感」
編集部:学研キッズネット編集部
学研キッズネットfor Parentsの立ち上げからもうすぐ3年。すくすく伸びる小・中学生の子どもたちのために、家族のしあわせのためにと願い、様々な専門家の方たちの考えを発信してきました。その考えをすべて見渡すと、いくつか大事なことがあるということがわかってきました。それを1本の樹を子どもに見立てて絵にしたのが冒頭のイラスト。これまでの記事を振り返る形でまとめます。
社会がこの先どのように変化していくのか見えない時代ではありますが、子どもたちにはどんな環境にあっても自分のもってうまれた力を生き生きと発揮し、のびのびと生きていってほしいですよね。そのための大切な基盤となるのが「自己肯定感」であり「自尊感情」であると多くの専門家は言います。これはありのままの自分を受け入れ、大切にしたいと思う気持ちのこと。
生きていくうえで、なぜ「自尊感情・自己肯定感」が必要なのでしょうか。親野智可等先生は言います。
「自分はここに存在していいんだ。
自分は大切にされている。
自分は大切な存在なんだ。
自分は自分でいいんだ。
これが、生きていく上で一番大切な自己肯定感というものです。
これがあって初めて、がんばる力もわいてきますし、人を思いやる気持ちもわいてきます。」
■子どもの存在を無条件に肯定する「一緒にいられて幸せ」という言葉を贈ろう
「子どもが伸びる親力」(親野 智可等先生)
特集第1回の今回は、この「自尊感情・自己肯定感」を育むために必要な土壌について考えていきます。
このページの目次
- 日本人は「自尊感情・自己肯定感」が低い!
- 「自尊感情・自己肯定感」を育てる土壌は家庭
- 子どもを一人の人間としてリスペクトした声かけを
- 感謝の気持ちは思いやりの心を育てる
1. 日本人は「自尊感情・自己肯定感」が低い!
「自尊感情」「自己肯定感」という言葉を最近、よく耳にするようになりました。これは先ほども説明したように、ありのままの自分を受け入れ、大切にしたいと思う気持ちのこと。人がのびのびと生きていくうえで欠かせない感情です。ところが残念なことに、日本人はこの感情が低いそう。
「『自分はダメな人間だと思うことがある』などネガティブな問いに対して、『とてもそう思う』『まあそう思う』という回答は米国・中国・韓国を大きく上回っているという結果が出ています。」