ただ、決定的に違うのは「使われ方」だと思います。パソコンがサービスを作り、スマホやタブレットはそのサービスを使うための道具。つまり、今の社会における生産のためのツールはパソコンで、スマホやタブレットはそれを受け取るためのツールという認識になるのではないでしょうか。
パソコンの重要性
——子どもがスマホやタブレットではなく、パソコンを使う必要性や利点というのはありますか?
先ほども言いましたが、現代社会においては生産の大元のツールはパソコンです。そのため、教育の現場でも、子ども達が使用するデジタル機器はパソコンを推奨したいと考えられているんです。新学習指導要領でも子どもたちのタイピングスキルを伸ばしたいと言われていて、小学校に導入する端末の要件として、キーボード機能を有している必要があるんです。今後は大学入試にもCBT方式(Computer Based Testingの略。コンピューターを利用した試験方式を指す)のテストを導入していく予定があるそうなので、パソコンの重要性はますます上がっていくと思います。
ただし、スマホやタブレットが重要でないということでは決してありません。個人的にはスマホやタブレットに日常的に触れている子どもの方が、これからのデジタル社会に馴染んでインパクトのあるイノベーションを起こせるんじゃないかと思っているくらいです。
こどもを有害な情報から守る
——こどもがデジタル機器に触れる際に注意しておくことは?
インターネットからITに触れ始める子どもが多いと思いますので、ペアレンタルコントロールはするべきでしょうね。ネットは便利な反面、子供にとって有害なコンテンツが溢れています。また勝手にネットショッピングをしたり、ゲームに課金したりしてしまう危険性もあります。まずは子どもにそう言った危険をしっかり説明して、リスクをつまびらかにし、共有することが大切です。最初は必ず親と一緒に使うようにするとか、自分の部屋ではなくリビングでしか使わせない、ブロッキング機能を使うなど各家庭の対処方法を見つけて可能なかたちで実践するべきだと思います。
VRにAR~新しい技術に対する親の心構え
——VRや AIなど新しい技術がどんどん登場していくデジタルの世界。親の心構えはどうあるべきでしょうか?
私は、これからの社会はITを使わない進化の方向性はないと考えています。