外国ルーツの子ども向け教育事業「てならひ」が8月1日スタート
編集部:学研キッズネット編集部
学研グループの一員であるアイ・シー・ネット株式会社は、外国にルーツのある子ども向けの教育事業「てならひ」を、2020年8月1日からスタートします。
「てならひ」は、外国にルーツを持つ子どもたち(※1)に向け日本語・各教科の学習機会を提供するとともに、独自のサポート体制による高い学習効果が得られるサービスです。
当面の間、無償で提供され、自治体・教育委員会・学校等と連携して今後サービスが展開されていく予定です。
※1 外国にルーツのある子ども:両親または親のどちらかが、外国出身者である子ども。第1言語が日本語以外の言語であることから「JSL」(Japanese as Second Language:第2言語としての日本語)とも言われています。
「てならひ」が提供される背景
日本で暮らす外国人は年々増加、現在では約300万人(※2)にもなり、このうち義務教育相当年齢の子どもは約12万人とされています。2019年に行われた調査(※3)では、全体の半数近い約5万人が日本語がわからないまま学校で授業を受けており、約2万人は学校に通っていない(通えていない)不就学状態であることもわかっています。
これまで、外国ルーツの子どもたちへの日本語教育は、各学校や地域ボランティア・NPOが担ってきました。しかし、今回の新型コロナウィルス感染症の蔓延により、活動場所である公共施設などの閉鎖で支援が届かず、多くの子どもが学習機会を失っています。
「てならひ」は、今後予想されるコロナの第2波、その後の新たな社会状況においても外国にルーツのある子どもたちが継続して学習を続けられるようサポートするサービスです。
※2「令和元年末現在における在留外国人数について」出入国在留管理庁
※3「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」文部科学省
「てならひ」の事業概要
「てならひ」は、義務教育の学習内容を理解度に合わせてレベル分けがされているのが特徴です。例えば中学1年生であっても「国語(日本語)は小学1年生レベル」「数学の計算問だけなら中学2年生レベルだが、文章問題は全然できない」といった理解度のバラ付きを考慮し、実学年での学習内容に縛られず、個人の学力に合わせて学習が進められます。学研エデュケーショナル・学研教育みらいより提供された豊富な学習教材の中から最適な教材を選び、各個人に合わせた学習カリキュラムを作成、課題が提供されます。