成長過程で、もしかしたら自閉症なのかも?と疑いを感じたら、身近な専門機関で相談し、必要ならば診断を受けることをおすすめします。相談ができる専門機関とは、児童の場合、各市区町村の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所等をさします。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者・生活支援センター、相談支援事業所などへ行ってみましょう。相談してみて障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらえます。
自閉症の原因は?
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様々な議論が交わされていますが、自閉症の原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、親のしつけや愛情不足が直接の原因ではないことがわかっています。
脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的な要因の関与の可能性が高いと推測されています。その先天的な遺伝要因にさまざまな環境的な要因が重なり影響しあって脳機能の障害が発現するのではないかという説が有力です。
関連する遺伝子や環境要因については、現在さまざまな研究が進められていますが、具体的にはまだ解明されていません。また複数の要因や組み合わせが存在すると考えられます。それらがさまざまな道筋をたどって、その人の自閉症の特性となって現れると言われているのです。そのため全ての人にあてはまる唯一の原因はないとも考えられています。
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参考書籍:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』(日本評論社,2015)
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参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊
自閉症は親から子どもへ遺伝するの?
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自閉症に関しては、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が活発に行われ、現段階で医学的な結論には至っていませんが、自閉症の発現に何らかの遺伝的要因が関係している可能性が高いと考えられます。
一卵性双生児のうちの1人が自閉症の場合に、もう1人も自閉症である割合は、報告によって差がありますが91~96%、二卵性では0~24%と、大きな開きがあります。