2017年1月18日 16:00
子どもの精神薬服用をどう考える?揺れる親心に寄り添うスクールカウンセラー
成長し、将来多動傾向が改善したとしても小学校時代の学びは行う必要があるでしょう。大人になって学ぶことに自尊心が傷つけられたら先に進めません。今だからやれることがあります。一度医療の支援をうけてみませんか。少しでも集中でき、学校での学びが進めば先が見えます。」
薬物療法の役割を理解し、ほかに良い方法がないと感じた親は、この提案を受けてくれます。時には父母で話しに来られます。提案を受けていただけたら、信頼のおける専門医選びを行い、薬物については医師に詳しく尋ねて下さいと言います。
スクールカウンセラーは日ごろの心配に寄り添います。タイミングを一緒に考えましょう
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132112124
20年前と違い最近は新しい薬が用いられています。服薬すると行動が改善し、「取り合いになりこの場合は必ず喧嘩になる」という場面で問題の生徒が相手に譲ったと言って教師が驚くことがあります。年齢相応のトラブルは残るものの、大きな事故や事件は起こりにくくなります。行動の変化に気づいた級友がいぶかしがってちょっかいを出すことありますが、「○○君も成長したんだ。」と教師が言ってくれると、2,3ヶ月後には違和感なく教室で過ごせるようになったりします。
もちろん、薬には副作用があります。それを気にする親もいます。詳しいことは医師に相談してもらうとして、日ごろの心配などは、カウンセラーや担任が十分聞いてあげることが大切です。親の不安には絶えず寄り添う必要があります。
特に、小学校の高学年、中学生になってから薬を使うとうまくいかないことが多いです。子どもはすでに自分はのけ者、仲間外れだという意識を強く持ってしまっているので、まず薬物療法に素直に従おうとしません。自我も発達しているので、薬を飲んだ時の違和感を感じたら子どもが勝手にやめたりします。この時期になると強制的に飲ませようとしても困難です。母親以外の家族や学校から薬を勧められても飲まない生徒に、母親が「自分しかこの子を守れない」と母子で服薬を拒否し、あちこちでぎくしゃくが生じることもあります。
このようなことを経験して私は次のような考えに行きつきました。どこでも叫ばれている早期発見・早期療育です。
幼い頃からその子をよく観察し、その時々の支援のあり方をアドバイスすること。