視空間認知って?「見る」ことのメカニズム・検査・強化するトレーニング法、発達障害との関連について
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北出勝也/監『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング』2015年/ナツメ社/刊
◇目と体のチームワークのトレーニング方法
目で見たものにすぐに反応をして適切に体を動かすためのトレーニングを行います。目と体のチームワークを高めるためには、目と体の動きを連動させるような練習をします。
例えば、「↑ → ↓ ← 」などと矢印がランダムに描かれた紙を使用してトレーニングを行うことができます。2人組となり、1人が上記の矢印が描かれた紙をもち、指差していきます。もう1人の人は、指差された矢印の方向に動きます。「↑」だとジャンプする、「↓」だとしゃがむ、「→」だと右に一歩ずれる、「←」だと左に一歩ずれる、というように目で見た通りに体を動かすような練習を行ってみてください。
「見る力」つまり視覚機能の能力をトレーニングする手段のひとつとして、作業療法という方法があります。「見る力」の向上のみに特化しているビジョントレーニングに対して、作業療法は身辺の自立や学習・社会参加のために必要な能力全般を向上させるためのトレーニングです。
視覚機能のほかには、手先の器用さを養う微細運動や大きく体を動かす粗大運動、身辺自立など、基本的な運動能力から集団の中で生活する力まで、幅広い能力を養います。
作業療法については以下の記事で詳しく紹介しているので、関心のある方は参考にしてみてください。
まとめ
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017017233
この記事では、「見ること」のメカニズムから視空間認知のテストの方法、「見る力」の鍛え方や発達障害との関連などをご紹介しました。「見えにくさ」と発達障害には関連があると述べましたが、まずは子どもの「見えにくさ」がどこからくるのか分析をし、弱さのある部分はどこなのかを発見することが大切です。そして弱さを発見したあとに私たちがするべきことのは、その弱さにより子どもが困ってしまわないように次の手立てを考えることです。発達障害があるかないかということは、さほど問題ではないのかもしれません。
「見えにくさ」の難しいところは、本人にとっても周囲の大人にも、「見えにくさ」があることに気がつかないことが多い点です。