視空間認知って?「見る」ことのメカニズム・検査・強化するトレーニング法、発達障害との関連について
以下のチェックリストの中で、チェックが多く当てはまれば視空間認知に課題があることが予測されます。
漢字やひらがなの書き間違いが多い。
覚えた漢字やひらがなを思い出すのに時間がかかる。または思い出せない。
よく鏡文字を書く。
うまく描けない図形がある。またはお絵かきで書いたものが周りの人に伝わらない。
文字を書くときに、マスや行からはみ出す。
また、読めないくらい形の乱れた文字を書く。
筆算で桁をそろえて書くのが苦手で、書いているうちに位がずれてしまう。
はさみで切る、ボタンをはめる、ひもを結ぶといった、手を使った作業が苦手で、不器用。
ボールを投げたり、キャッチしたりするのが下手で、球技が苦手。
ラジオ体操やダンスを見て覚えたり、まねしたりするのが苦手。
鍵盤ハーモニカやリコーダーなどを演奏する時、鍵盤や穴の位置をよく間違えてしまう。
左と右をなかなか覚えられず、よく間違える。
方向音痴で、よく道を間違ったり、迷ったりする。
家具や歩いている人などによく体をぶつけたり、つまずいたりする。
北出勝也/監『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング』p25 2015年/ナツメ社/刊
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ここにたくさんのチェックが当てはまる場合には、空間認知の弱さがあると考えられます。ここのチェックに当てはまらないけれど、子どもに「見る力」に問題があるのではないかと疑う場合には、「眼球運動」や「目と体のチームワーク」の領域に課題があるのかもしれません。
子どもの視覚認知を評価するために、さまざまなテストが開発されています。例えば、視覚能力評価テスト、「見る力」理解力テスト、未就学視覚運動評価、K-ABC検査、視知覚スキル検査、運動除外視覚認知テストなどです。
これらのテストは、自閉症スペクトラム症やADHDなどの発達障害のある子どもたちの特性を把握するときにも使われることがあります。検査は、テストごとに年齢は異なりますが、最も幼い場合2歳から受けることが可能です。
検査は視覚機能のトレーニングセンターや、視覚発達支援センターで受けることができます。
場合によっては、「見る力」の専門家がメガネ屋さんにいることもあります。
それ以外に発達検査や知能検査を受けたい場合には、公的病院や民間病院で検査を受けることができます。精神科や臨床心理士による検査が受けられる病院を受診するといいでしょう。