子育て情報『ICD-10、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要、DSMとの違いなどについて解説します』

2018年6月19日 10:30

ICD-10、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要、DSMとの違いなどについて解説します

ICDでは、統計的にこれら2つの病態は同じグループに入れてもよいと判断されるため、2つの診断名が区別されません。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/dl/icdabc_h27.pdf
出典:厚生労働省大臣官房統計情報部『ICDのABC平成27年度版』


ICD-10はどこで使われているの?いつ必要になるの?

ICD-10、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要、DSMとの違いなどについて解説しますの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417003351

日本では、主に病院での診斷・診療録管理システム、省庁の制度・統計で使われています。

病院では、医師による診断や、診療録の管理システムにICD-10が使用されています。診断での使用は、特に精神科領域で行われています。

ただし、必ずしもすべての医師がICDの診断基準を用いているというわけではありません。ICDではなく、アメリカ精神医学会が作成するDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)が使用される場合もあれば、どちらも使用されていない場合もあります(ICDとDSMの違いについては後の項目で説明します)。

ICDやDSMといった国際的な診断基準が日本に普及したのは最近のことです。そのため、日本ではそれ以前から用いられてきた診断基準を用いない伝統的な診断方法と、診断基準を用いた診断方法が併用されています。


診断基準の使用状況について、東京女子医科大学医学部の坂元薫教授が日本精神科診断学会の会員である精神科医たちに対して行った調査があります。この調査では、診断基準を用いた診断を主に使用しているという回答は10%、診断基準のみを用いているという回答はわずか3%でした。つまり、多くの医師は診断基準を用いた診断方法と伝統的な診断方法を併用しており、診断基準のみを用いている医師はほとんどいないということです。

さらに、回答者の73%は日本特有の伝統的な診断方法を積極的に使用すべきだと回答していたことから、ICDやDSMが普及した現在でも、伝統的な診断方法の医師からの支持率は高いことがわかります。

精神科診断では、ICDやDSMといった明確な基準が一律に採用されているのではなく、私たちが思っている以上に色々なやり方によって行われているようです。

http://ir.twmu.ac.jp/dspace/bitstream/10470/31410/1/86e1000007.pdf
出典:Sakamoto, K. , ‘Views of Japanese Psychiatrists on Making Diagnoses: Clinical Use of Conventional Versus Operational Diagnostic Criteria, ’ 『東京女子医科大学雑誌』86: E38-E47, 2016.

省庁では、厚生労働省がICD-10準拠の「疾病、傷害及び死因の統計分類」

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