大人のチック症とは?症状とストレスとの関連性、受診先や治療法、生活上の工夫を紹介!
複数の動作のチックと音声のチックが重なって出現すると、トゥレット症候群と呼び名が変わります。こちらも発症の時期は小児~青年期が多いそうです。トゥレット症候群の発症率は10000人に4,5人で、神経系疾患の難病に認定されています。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/856
参考リンク:難病情報センター
『DSM-5』によれば、チック症の診断基準には18歳未満で発症したものという定義があり、大人になって初めてチックが発症するケースは非常にまれだそうです。
大人でチック症が出た場合は、小児期に未診断だったものの継続・重症化、あるいは再発である場合がほとんどだといわれています。大人になってから初めて症状が出た場合、チック症ではなく以下のような別の病気やその後遺症、薬の副作用の可能性があります。
・ハンチントン病やウイルス脳炎などの後遺症による脳の中枢神経障害
・コカインなどの薬物使用による副作用
・てんかん、ジストニアなど、別の脳神経疾患
また、チック症は他の発達障害や強迫性障害などの精神疾患を併発しているケースが一定数あるという指摘がされていて、研究が進められています。
チック症は症状が多彩で一見すると癖と見分けがつかないため、本人も周囲も深刻にならずに生活しているケースは多々あります。
また、チック症であるという認識があってもなくても生活に違いが出ないのであれば、診断や治療を受けなくても問題ない障害ともいえます。
チック症の原因は?大人でチックが出やすくなる誘因は?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044033234
チック症は脳の発達のアンバランスさによって引き起こされる障害です。なぜ突発的で生活風景になじまない動きや声が出てしまうのかは、いまだに解明されていない部分も多いそうですが、近年の研究によるとチックには以下2つの原因と3つの誘因があると考えられています。原因1: 神経伝達物質の代謝や分泌が影響している
脳から分泌されるドーパミンという神経伝達物質の働きを抑える薬を服薬すると、症状が改善することが臨床医学的に証明されています。このことから、チック症はドーパミンを代表とする神経伝達物質の代謝と、代謝に反応した神経回路の活動過剰が原因ではないかという仮説が立てられ、研究が進められています。