大人のチック症とは?症状とストレスとの関連性、受診先や治療法、生活上の工夫を紹介!
と認知されにくいのも特徴です。また、「発達障害」や「精神障害」に対する社会の誤解と偏見から、当事者や周囲の人々もチック症の理解や受容が困難になりやすいという面があります。
つまり、チック症当事者のいちばんの困難は、「見えない障害」であるがゆえに誤解され、社会から排除される恐怖を感じること、と言えるのではないでしょうか?そして大人にとっては、社会から排除されることは生活困窮に直結しやすいため、その恐怖はさらに増すと推測されます。
チック症のいちばん効果的な対処法は、前述の通りストレス回避とそのための環境調整です。しかし、大人は自活のために仕事上のストレスを慢性的に抱えています。それはチック症当事者も同様です。つまり、チック症の大人はストレス回避がしにくく、そのため症状が長引きやすく、それが当事者の困難をさらに助長するという悪循環になっているのです。言い換えれば大人のチック症の困難は社会が生んでいるともいえるわけです。
実際に、チック症とその重症例であるトゥレット症候群で悩む人たちは、長い間、情報と治療法の少なさ、周囲の誤解と偏見に苦しんできたそうです。しかしこの10年来、障害の研究と理解は徐々に進み、当事者や支援者による訴えも実を結びつつあります。今ではNPO法人が運営する当事者支援協会も発足し、自助グループの活動も各地域に広がってきています。
http://tourette-japan.org
参考:日本トゥレット協会
https://tourette-friends.jimdo.com/
参考:トゥレット友の会
このように長い間苦しみを抱える人がいた一方で、人生のうち1度でもチックが出たことのある人は10人中1,2人いて、そのうち5%は慢性化したり再発したりすることから、計算上は200人に1,2人が間欠的にチック症に悩んでいることになります。この人数から考えると、実はチックはごく一部の人の悩みではない、ともいえるのではないでしょうか?
大人のチック症、医療機関で受診したほうがいい?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044005020
チック症は本人に生活上の不便がなく辛さも少なければ、必ずしも受診が必要なわけではありません。しかし、仕事や学校生活に支障が出る可能性があるようでしたら、対処法を知るために一度受診してみることをおすすめします。