解離性健忘とは?記憶を失ってしまうの?解離性障害のひとつ解離性健忘の原因・症状・治療法などを解説
恐怖を感じる以外にも、体にも症状があらわれることが分かっています。頭痛・動悸・吐き気などのほかにも、性機能障害もしばしばみとめられます。
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高橋三郎/監訳『DSM-5鑑別診断ハンドブック』(医学書院、2015年)203ページ
解離性とん走は、解離性健忘のひとつです。とん走とは逃げ走ることを意味しており、家庭や職場から突然いなくって、どこかへ行ってしまうのが解離性とん走の特徴です。また、いなくなってしまっている間、「自分は誰であるのか」「どんな人生を送ってきたのか」などの記憶を失ってしまっています。
これまでの記憶を失ってはいるものの、電車に乗るための切符を買ったり、歯を磨いたりといった日常生活で必要な動作の記憶は失われていません。また、それまでに習得した技術も覚えています。たとえば、ピアノを弾ける人が解離性とん走で、自分のことをすべて忘れてしまっていたとしても、ピアノを上手に弾くことはできるそうです。
小学生以下では稀ですが、中学生以上の若い人にも多くみられるようになるようです。身元不明の少年として保護される子どものうち一定割合を占めるとも言われています。
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(出典)岡田尊司/著『子どもの「心の病」を知る: 児童期・青年期とどう向き合うか』(PHP研究所、2005年)
器質的なことを原因とする健忘との違いは?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11032002369
器質的なことが原因で生じる健忘もあります。例えば、認知症、事故が原因で脳の損傷を受けた場合、アルコール依存症などによって脳の機能が失われることによっても健忘が起きることがあります。
それでは、解離性健忘との違いは何でしょうか。
解離性健忘では通常、解離のきっかけになったできごと以降のことを思い出せなくなります。一方、脳の損傷など器質的なことが原因で生じる健忘では、損傷が起きた時点より前のことも一緒に思い出せなくなることが多いようです。
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心理療法研究会/著、岡野憲一郎/編『わかりやすい「解離性障害」入門』(星和書店、2010年)59-61ページ、102-103ページ
解離性健忘と器質的な健忘は、コンピュータにたとえられる場合もあるので、以下にご紹介します。