子育て情報『解離性健忘とは?記憶を失ってしまうの?解離性障害のひとつ解離性健忘の原因・症状・治療法などを解説』

2017年4月27日 15:20

解離性健忘とは?記憶を失ってしまうの?解離性障害のひとつ解離性健忘の原因・症状・治療法などを解説

解離性障害の子どもであればその両親、成人であれば恋人や配偶者など、患者さんのキーバーソンとなる人は症状について正しく理解し、できる限りの患者さんの気持ちにより添った協力体制を整えることが望ましいとされています。

ある患者さんの例では、解離性健忘の症状でパニックに陥ってしまったときには以下のような仕組みを作り、パニックから解放される対処法を身につけるようにしたそうです。

1.恋人に携帯電話で電話をする
2.決まったセリフを口にしてもらう

解離性健忘の患者さんでは、抑うつ気分と自殺を考えてしまうことが特徴的にみられることも知られています。治療をすすめるなかで、健忘のために忘れていたできごとを思い出し、そのたびに気分が不安定になってしまう患者さんもいるようです。したがって、解離性健忘はストレスの元となることを「忘れてしまう」ことで、患者さんの心の負担を軽くし、心を守っているという側面もあることを忘れないようにしましょう。

健忘やそれに伴う離人症状は、破局的な体験や孤立した抑うつ状態に対する防衛(defense)であるので、催眠や麻酔面接などを用いて無理に崩すことは治療的ではない.なによりも健忘を認めるあいだは、患者が心身の消耗を回復して、現実に再び直面して受容するための猶予期間であるという視点が必要である。症状の背景にある持続的で緊迫した孤立状況とそれに伴う抑うつ気分や自殺念慮などに焦点を合わせ,休養と環境調整を第一とする.次いで行き詰まった状況になっても誰にも助言や援助を求められないことを問題として取り扱っていくこと,さらには対人関係における適切な自己表現を可能とすることが課題となろう.治療の原則は,このような段階的プロセスを支持的に援助することである.

【出典】岡野憲一郎/責任編集『専門医のための精神科臨床リュミエール20解離性障害』(中山書店、2009年)102ページ

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一方、患者さんの家庭環境が、解離性健忘の引き金となっている場合には、家族の関係性を見つめ直す必要があります。

もしかしたら、家族のことが原因かもしれない、など悩むことがあれば精神科医と家族相談という形の受診をしてみるのも良いかもしれませんね。


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岡野憲一郎/責任編集『専門医のための精神科臨床リュミエール20解離性障害』(中山書店、2009年)

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