子育て情報『療育にも活用される「音楽療法」の最前線! 子どもたちへの多彩なアプローチについて徹底取材!』

療育にも活用される「音楽療法」の最前線! 子どもたちへの多彩なアプローチについて徹底取材!

例えば、選択緘黙症の子どもなどは、診察室などでは何も話すことができないケースが多く、診察室だけでその子を判断してしまうと、どうしても「出来ない部分」が目立ってしまうと言います。

だからこそ、音楽療法のセッションルームで何かが出来るようになっていく姿を見ることは非常に意味があることであり、音楽療法をクリニックで取り入れることにより、「出来ない部分」ではなく「出来る部分」を引き出していくことが出来ると語ってくださいました。

このように、「診察室では見えない成長を見る」ために、音楽療法を取り入れている先生もいます。


3. 発達障害児/者の音楽療法の研究

音楽療法は、さまざまな特性の子どもに合わせたオーダーメイドの要素の大きい療育です。よって、発達障害のある子どもの、それぞれの特性に合わせた選曲も非常に重要になってきます。

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二俣泉先生(東邦音楽大学准教授)と二俣裕美子先生は、発達障害のある子ども向けの音楽療法で、実際にどのようなプログラムを組んでいけば良いか、どのような曲を使い、どのように楽器を活用していけば良いかを研究されています。また同時に、発達障害のある子どもに合わせた音楽療法のための作曲もされています。

二俣先生は、発達障害のある子ども向けの音楽療法で使う曲は、次の4つのタイプがあると言います。


1. 自由に演奏する曲
2. 演奏に際して緩やかなルールがある曲
3. 音が空白の部分で演奏する曲
4. 演奏のタイミングが厳密に定められている曲

例えば、1の「自由に演奏する曲」は、セラピストの指示が入りにくい子どもに使われます。自由に演奏することで、とにかく楽器に触れること、他の子どもと一緒の活動に慣れること、音楽のなかで活動する楽しさを味わうことなどを目指しています。

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タイプ2では、曲の中で音を鳴らすタイミングを待つところがあります。これにより、機会を待つということや、自分の役割を果たすという体験をすることができるようになっています。

タイプ3の「音が空白の部分で演奏する曲」は、「幸せなら手を叩こう」などのように、空白の部分で楽器を鳴らす、あるいは手を叩くような曲です。このような曲を使うと、当初は集中力が持たず、混乱していた子どもたちが、集中して取り組むようになったと言います。また、特定の空白で音を鳴らすまで「待つ」

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