ひきこもりとは?原因、相談先、支援など解決の道筋は?不登校、精神疾患や発達障害との関わりも解説します
そこで、ひきこもり状態の裏になんらかの精神疾患や障害が隠れていないかどうか注意することが非常に重要です。
精神疾患とひきこもり状態の関係には以下の3つのパターンが考えられます。
ひきこもりの人の中には、精神疾患の症状のために家から出られないのに、そのことに気づかず、見過ごされている状態の人が0ではないと考えられています。つまり、精神疾患からひきこもり状態を引き起こしているが未診断という状態です。
不安障害や統合失調症、双極性障害、うつ病などは症状としてひきこもり状態を伴いやすい精神疾患です。
これらはひきこもりと対処法が全く異なります。また治療が必要な場合もあるので注意が必要です。単なる「ひきこもり」と誤解しているうちに疾患が進行しないよう、早期に精神科に相談する必要があります。
なかでも統合失調症は鑑別が難しい精神疾患です。統合失調症の陰性症状は、エネルギーが下がった状態で起こる症状です。主な症状としては、うつ状態になることと、感情の起伏が少なくなることの2つがあります。陰性症状が進むにつれて他の人とのコミュニケーションが難しくなり、ひきこもり症状が生じることがあります。この状態を単なるひきこもりと誤解されてしまうことがあります。統合失調症の主な症状としては、幻覚や妄想、幻聴なども挙げられます。これらの様子が見られる際には、精神科の受診をおすすめします。ただし、ひきこもり状態でも妄想などが現れる場合もありますので、統合失調症かどうかは医師による慎重な判断が必要です。
統合失調症の治療には一般的に、薬物治療を併用しながら心理社会的療法(リハビリテーション)が行われます。
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参考書籍:斎藤環・畠中雅子/著『ひきこもりのライフプラン』(2012年岩波書店/刊)
精神疾患の症状から、人間関係のトラブルや強いストレスを引き起こし、二次的な障害としてひきこもり状態になる場合もあります。
近年、発達障害とひきこもりの因果関係が指摘されることが多くあります。発達障害のある人が特性を理解されないまま不適切な環境にいることで、環境との不適応を起こし、二次障害としてひきこもり状態になってしまう場合が少なくないのです。
広汎性発達障害・自閉症スペクトラムのある人はコミュニケーションの困難を感じることがあります。そのため思春期以降、複雑化する学校生活や人間関係などがうまくいかず、ひきこもり状態になってしまう場合があります。