2017年11月13日 15:00
相貌失認とは?症状、原因、相談・診断・受診先から、発達障害との関わりについて解説します
「ただ覚えていないと言うのはだめですよ――失礼ですし、人は気を悪くします。『申し訳ありませんが、私は人の顔をちっとも覚えられないんです。自分の母親の顔さえわからないんですよ』って言ってください」
出典:『心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界』p104
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相貌失認でありながら、なんとか工夫してトラブルを起こすことなく生活し続けることは難しいことです。また仮に生活できたとしても、常に過度に気を張っていなければいけないため本人の負担がどうしても大きくなってしまいがちです。
相貌失認で困っている人は、周囲に正しく理解してもらえるように、相貌失認であることを周りの人に伝えるという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
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参考書籍:オリヴァー・サックス/著者『心の視力ー脳神経科医と失われた知覚の世界』(早川書房・2011)
相貌失認の著名人
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10298000095
人口のおおよそ2%が相貌失認であるとされているように、相貌失認というのは決して珍しいものではありません。相貌失認は、たしかに日常生活のなかで困るようなケースも多くあるかもしれません。しかし、相貌失認であっても世界で活躍されている方は何人もいらっしゃいます。
この章では、実際に相貌失認であるまたは、相貌失認の疑いがあるとされている著名人の方を紹介していきます。
ルイス・キャロルは、世界中で大人気な『不思議の国のアリス』をはじめとする童話を執筆したことで知られています。彼は、児童文学の作者としてだけでなく、大学の講師や写真家、牧師としても活躍された非常に多才な人物でした。
ルイス・キャロルは、数字の「42」に対して強いこだわりをもったり、規則を守ることが得意であったり、言動の意図をよく汲み間違えたりしていたそうです。他にも、言葉をどもってしまうような言語障害もあったようです。
今となっては確かめようがありませんが、人の顔を覚えることが非常に苦手であったり、パーティー会場で人を紹介しようとすると席を慌てて外したりと相貌失認であったことをうかがわせるエピソードがいくつも残っています。