2017年11月13日 15:00
相貌失認とは?症状、原因、相談・診断・受診先から、発達障害との関わりについて解説します
例えば、イチローの写真を見て、名前がでてこなくても、「野球選手で、いまメジャーで活躍していて…」と答えることができれば顔を覚えているとみなされます。
この課題では、2枚の写真を見せて、それが同じ人であるかどうか答えてもらったり、見本の写真と同一人物の写真を6枚の写真から選択してもらったりして行われます。
この課題でも、正答率や答えるまでにかかった時間などを測ります。
2枚の写真を見せて、どちらが男性か答えてもらったり、どちらのほうが若いか答えてもらったりすることで、正しく推測できているか確かめます。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027748316-00
参考:近藤実知「後天性および先天性相貌失認症例検討をふまえて」
相貌失認の対処法
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161018929
私たちは目の前にいる人が、誰なのか認知するとき、顔の情報のみで判断しているわけではありません。例えば、特徴的な髪型や話し方、歩き方あるいは服装なども参考にしながら、記憶と照らし合わせています。
相貌失認の人の場合は、相手のことを顔から判断することは困難ですが、顔以外の情報から判断することができます。生まれつき相貌失認であると、独自の工夫をして、社会生活をそれほど支障なく過ごしている場合もあります。
現在、残念ながら相貌失認を根本的に治療する方法は見つかっていません。相貌失認を抱えながら生活していくには、顔以外の情報にできるだけ注意して相手が誰か判断しなければいけません。相貌失認によるトラブルを減らすために、自分が相貌失認であることを周囲に明言しておく方法もあります。
例えば、『レナードの朝』などの著作で知られる神経科医オリヴァー・サックスも相貌失認であることを告白しています。
サックスの助手は、サックスのもとを訪れる人に対して次のように伝えていたそうです。
「あなたのことを覚えているかどうか、先生に訊かないでください。覚えてないって言いますから。お名前を名乗って、自分が誰かを先生に教えてあげてください」
出典:『心の視力ー脳神経科医と失われた知覚の世界』p104
https://www.amazon.co.jp/dp/4152092556
また、サックスにもこのように言っていたそうです。