子育て情報『自閉症スペクトラムを理解するための新たなアプローチ!最新の脳波技術を用いた研究結果とは』

2017年12月22日 16:30

自閉症スペクトラムを理解するための新たなアプローチ!最新の脳波技術を用いた研究結果とは

この研究は、自閉症スペクトラム障害の当事者が参加し「リズム同期」の課題を行うことで、自閉スペクトラム障害の特徴を明らかにしようとするものです。

ここで言うリズム同期とは、タイミングをあわせて音を鳴らしていくようなもので、二者でリズムが一定になるように、交互に音のなるスイッチ(キーボード)を押す実験です。

自閉症スペクトラム障害の参加者がキーボードを押すと音が鳴り、続けて相手(PCプログラムもしくは定型発達の参加者)がキーボードを押すと別の音が鳴ります。

PCプログラムが相手をする場合は、一定の間隔で音を出すパターン、急に間隔が変わるパターンなどを使用して、それらがどれだけ同期しているか調べるのです。

またこの実験中は脳波も測定し、どのような脳波が発されているかも記録していきます。

そして自閉症スペクトラム障害の参加者と定型発達の参加者の同期実験の結果を比較してみると、次のようなことがわかりました。

・リズムが一定のPCプログラムが相手だと、自閉症スペクトラム障害の参加者と定型発達の参加者で、同期の特徴に差はない。
・人および音の間隔が一定ではないPCプログラムが相手だと、定型発達の参加者に比べて自閉症スペクトラム障害の参加者では、同期量が少ない。
この同期量の少なさは、主に自閉症スペクトラム障害のこだわり傾向の強さと関係がある

つまり、自閉症スペクトラム障害の人たちが、一定ではないリズムへの適応に困難さを抱えていることが示唆されてます。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/documents/171108_1/01.pdf
自閉スペクトラム症者のコミュニケーション障害に関する新たな視点 ~最新の脳波技術を用いた科学的根拠による理解の促進~
また、この同期実験で、参加していた自閉症スペクトラム障害の人たちの脳波データを解析したところ、定型発達の人たちの脳波と較べて、下記のような特徴があったそうです。

・リズム同期において、自閉症スペクトラム障害の人たちにのみ前頭シータ波が増加する(=脳に負荷がかかっている)
・自閉症スペクトラム障害者の前頭シータ波は、リズム同期の相手が人であってもPCであっても増加することが分かった

前頭シータ波とは認知負荷がかかっていることを示す脳波であり、驚いたことに自閉症スペクトラム障害の人たちは「相手とリズムを合わせる」

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