2018年1月19日 12:00
「ママ、20歳になったら胸を取る手術していい?」第二次性徴を迎えたアスペルガーの娘の言葉に母は、
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」という気持ちが人一倍強く頑固だった私は、そうした気持ちを飲み込むことは絶対にしないとと誓ったのです。たまたま生まれついた性別だけで生き方を決められるなんてやってられない。これは今も私の核になっています。
そんな私の気持ちを説明するような一節にも出会いました。
女性として期待される役割について、私は思春期から悩んでいます。思春期になると、小さいときから仲が良かった女の子の友だちは、いっせいに、本などよりも自分の外見に注意を払い出し、男の子には私に対するよりも優しくふるまうようになりました。あの頃から、ジェンダーの役割には不快感を覚えてきました。
(中略)
自閉症スペクトラムの人たちの多くは、ASの症状も男女で分けて考える必要はないと考えるのではないでしょうか。
ほとんどの場合、本質的に、私たちAS者は、身振りなどの癖や行動において、両性具有的だからです。
(『アスパーガール』ルディ・シモン著スペクトラム出版社P83より)
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気持ちがぴったり一致したのは、「ジェンダーの役割には不快感を覚えてきました」の部分です。今の自分は男性的な面もあれば女性的な面もあって、「あなたのジェンダーは何ですか?」ともし問われても答えようがなく、まさに「両性具有的」というのがぴったりくる表現だと強く感じました。
違う国、違う文化に住む人が同じ思いを抱いている。そのことは「アスパーガール」の一人としてとても心強い気持ちになりました。
だからこそ、娘の「性」の違和感や、ジェンダー感にはしっかりと向き合っていきたいと思うし、どんな選択をしてもそれを尊重して受け入れる強い意志を持つことができたのです。
あれから5年。中3になった娘が思うこと
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038021291
娘の第二次性徴期が始まって5年。
この機会に娘に直接質問をしてみました。
「今でも胸を締め付けるブラジャー欲しい?」
「スポーツブラでも目立たないから別にいいかな」
「胸を取る手術はどう?」
「今くらいで止まってくれたらそのままでもいいかも。でももっと大きくなって『イーッ』となったらやっぱり手術するかもしれない。」