子育て情報『入学を遅らせる「就学猶予」で困難は解決する?自閉症の子どもにとって最適な選択を考えるために…』

2018年1月30日 11:55

入学を遅らせる「就学猶予」で困難は解決する?自閉症の子どもにとって最適な選択を考えるために…

などの遅れはありませんでした。

知人は「年長さんを2年も経験すれば、ほかの子と同じことがきっとできるようになるに違いないわ」と言っていました。

当時は自治体によってこの制度が自閉症児にも一部適用されていたようです。特別支援学校のことを養護学校、特別支援学級のことを特殊学級とまだ呼んでいた時代で、発達障害とかアスペルガー症候群の言葉もまだ理解されていなかった時代でした。

その知人の選択を否定するつもりはありませんし、実際に1年遅らせることでできることが増える部分もあったかもしれません。

でも、同じく自閉症のある子どもを育てる親である私は、心の中で「1年遅らせたからといって、同級生と同じようにできるようになるのだろうか…?」とも思っていました。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm
特別支援教育について


ありのままに受け入れ、子どもに合う教育を選ぶことの大切さ

入学を遅らせる「就学猶予」で困難は解決する?自閉症の子どもにとって最適な選択を考えるために…の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28144017327

特別支援教育が浸透している現在では、自閉症があることだけを理由に、就学猶予が認められることはそれほど多くはないようです。

でも、幼稚園や保育園や療育関係者から「お子さんは発達がゆっくりなのですね」と言われると、「うちの子は少し発達がゆっくりなのだ。
だから1年遅らせてその間に頑張らせれば、何とか追いつくだろう」と考え、この就学猶予を検討する人もいるかもしれません。

発達がゆっくりであることと、凸凹があることとは、違うのではないかと思います。まず、「子どもに合った教育は何か」「その選択は、子どもに無理をさせすぎはしないか」ということを考えてほしいと思います。そのうえで、通常学級か特別支援学級か特別支援学校かを吟味するのがよいのではないでしょうか。

保護者が子どもを「ありのままに受け入れる」ことは、子どもの育ちにとって、とても大切なことです。

「できるだけ健常児に近づけよう」とすることは、保護者の願いであって、子どもに必要な環境や学びとは重ならないかもしれない。

ありのままを受け入れたうえで、子どもにとって最適な道を選択をしていってほしい、私はそう願っています。

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