2018年6月15日 11:00
不登校の私を連れてキャンプへ――。父の不器用な優しさが、私を少しずつ変えてくれた~父の日に寄せて~
と言って買ってくれました。わが家は裕福ではなかったし、技術書はそれなりの値段がしました。父が使えたお小遣いの結構な割合を占める買い物だったと思います。そして、それは私にとって初めて手にした技術書でした。
その本に書いてあったことをみっちり勉強するところから、私の技術者人生は始まりました。今でこそ数十冊の技術書を持っていますが、この時父に買ってもらった1冊は大切に本棚にしまってあります。
大人になった今、困ったことを相談できる人生の先輩に
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161012723
一時は気まずい雰囲気もあった私たち親子ですが、社会人になってから、困ったことがあったりすると父に相談していました。
うつでつらい状況になった時も「そんな会社辞めて少し休め」と言ってくれました。その一言に背中を押され、当時勤めていた会社を辞める決心をしたことを覚えています。その言葉のおかげで、ゆっくり休め、現在の会社で希望の職に就き、働けるようになったとも感じています。
たまに帰省すると、仕事の近況を話したり、アドバイスをもらったり、時には父の政治についての愚痴を聞いたりして過ごします。
保護者の皆さんの中にも、不登校の子どもとどう接していいのか困惑している方がいるかもしれません。父が私にしてくれたことすべてが「正解例」というわけではありませんが、外へ積極的に連れ出してくれたこと、将来のために本を買い与えてくれた父の不器用な優しさがあったからこそ、今の私につながっているということを伝えたいと思います。
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