2018年9月27日 08:00
話題の本『学校に行きたくない君へ』。横尾忠則さん、樹木希林さんら著名人への体当たり取材の裏側、込めた想い。不登校新聞編集長に聞いた
――ステキですね。
石井:そうなんです。取材には、ドラマがいっぱい!その隣で興奮しすぎて過呼吸になる子がいて大変なことになったり…(笑)。でもそれって、みんな一生懸命生きているからなんです。だからそれだけインタビュー記事もよいものができているんじゃないかなと思っています。
子ども時代は大人になるための準備期間じゃない。子どもは「今」、人生の本番を生きている
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――残念ながら、社会にはいまだに「学校へ行かなければ大人になれない」という考えが根強いです。それはどうしてなんでしょうか。
石井:命がけで学校に通うべきではない、というところまではみんな納得できているんです。でも「その後、どうやったら大人になれるの?」という問いが浮かんでくる。本当は、不登校の後の選択肢や受け皿が社会にないことが問題なんですが、その問題には目が向かなくて、不登校の子どもを直せばいいという話になってしまう。
生まれた子全員学校へ来いと言って、合わないと思っている子に「何を考えているんだ」と問題視するのはハラスメントだと思うんです。コンビニだってファミレスだってしません(笑)。学校だけが「来い」と言っておいて、来なかったら「おまえは将来どうなると思っているんだ」と言うし、まわりはみんな寄ってたかって後押しするでしょ。
先日も宿題ができていない子が亡くなったという報道がありました。親はそんな学校にせっせと子どもを送り込むわけじゃないですか。親としては制度がある以上、送り込むしかないんですよね。でも、やっぱりどう考えてもおかしい。
――不登校は子どものせいではない、ということは声を大にして言いたいですね。
石井:長年取材をしていて感じるのは、学校での同調圧力が強くなってきているんじゃないかということ。モラルや規律など、子どもが守るべきものが多くなっているという実感があります。私が取材をした小学1年生のある教室に、発達障害グレーゾーンの子がいたんです。
その学校はユニバーサルデザインの教室を目指していて、担任と副担任が教室の前と後ろにいるんです。それで、後ろから前から怒鳴り散らす。「足をバタバタさせるな!」「喋るな!」と言って。ユニバーサルデザインとは子どもたちを鎮圧することなの?と思いました…。それで、怖くなっちゃって学校に行けなくなっちゃう子どもが出てきた。