2018年11月15日 07:00
映画『いろとりどりの親子』をルポ!「ちがい」と生きる6つの家族が教えてくれた、幸せの多様性
低身長症の夫婦・リアとジョセフは、知的かつチャーミング。リアは「(低身長症の夫婦から)普通身長の子どもが生まれても大丈夫。だって私は、家族の中で一人だけ違ったけど、大丈夫だったから」と笑顔で語ります。底抜けに明るい二人の姿は、「ちがい」ってなんだろう、「障害」ってなんだろう、と改めて問いかけてくるようでした。
レイチェル・ドレッツィン監督が来日!日本の高校生と映画について語り合う教室に潜入
この映画の監督、レイチェル・ドレッツィンさんが、映画の公開に合わせて来日!さらに、日本の高校生と、映画について語り合う機会があると聞きつけて、取材をさせてもらいました。
東京学芸大学附属国際中等教育学校のIB(国際バカロレア)クラスの高校2年生11名と監督とのディスカッションは、ほぼオールイングリッシュ!で進行。さらに、監督にぶつける質問や疑問は、英語力もさることながら深い共感や洞察力が感じられて、監督も「ワンダフル!」と笑顔でしたよ。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/1307998.htm
参考:国際バカロレアとは | 文部科学省
レイチェル・ドレッツィン監督(以下、監督):「人はさまざまなアイデンティティーを持っています。
たとえば映画に出てくるリアは、低身長症ですが、女性であり、母であり、妻でもある。でも、健常者はその1つだけをピックアップしがちです」
そのためには、『ちがい』がある人たちの中に積極的に入り、知ることが大切。それを伝えたかったと、映画に込めた思いを話してくれました」。
ディスカッションに参加した11名の高校生は、映画を見て感じたこと、監督にぶつけたい思いを発言。監督は、その一つひとつに耳を傾け、真摯に答えていきます。
今まで生きてきた中で、障害がある人たちとあまり触れ合う機会がなかったという高校生も多く「将来出会ったときに、実際には相手を肯定できないんじゃないか。そんなとき、どう向き合えばいいのだろう」という不安・危惧を口にする学生も。監督は、さまざまな人たちと実際に触れ合うことの大切さを伝えます。
監督:「『ちがい』がある人の近くにいると、親密さが持てるようになります。距離があるから差別が生まれるんです。もしネガティブな先入観があるとしたら、それは親密さが欠けているから」
監督自身も、登場人物の一人であるジョセフと出会ったときはぎこちなくなってしまい、どう握手したらいいかもわからなかったと教えてくれました。